当サイトにおける信越化学工業株式会社の評価は24.0/25点。非常に力強い事業を展開するほぼほぼパーフェクトな企業です。
- 年収は国内平均440万円の1.9倍
- 主力は塩ビと半導体シリコンでありどちらも安定性に優れる
- 売上高も利益も順調に成長している
- 平均勤続年数は業界平均より大幅に長い
- 残業時間は他大手と同水準
当サイトでは決算データをもとに”客観的”に企業を評価しています。一方で、企業の内情や口コミといった主観的情報も就活では重要です。OB訪問アプリを活用して賢く就活を進めましょう!
年収などの基礎データ
まず基本となるデータを掲載します。年収が高く、勤続年数が業界平均よりも長いことに注目です。
企業名 | 信越化学工業 |
代表者名 | 斎藤恭彦 |
単独従業員数 | 3238 |
連結従業員数 | 24069 |
上場区分 | 東証1部 |
本社 | 東京 |
拠点 | 直江津、武生、 磯部、松井田、etc |
平均年収 | 848.8万円 |
平均年齢 | 42.2歳 |
平均勤続年数 | 20.2年 |
有給休暇の平均取得日数 | 15.0日 |
月平均所定外労働時間 | 20.6時間 |
主業種/サブ業種 | 化学/総合化学 |
事業内容と主力製品について
信越化学工業株式会社の事業内容は塩ビ・化成品事業、半導体シリコン事業、電子・機能材料事業、加工・商事・技術サービス事業、シリコーン事業、機能性化学品事業の6分野に大別されます。
塩ビ・化成品事業
信越化学工業は塩化ビニル樹脂の世界最大手であり、当事業は信越化学の主力事業のひとつです。
2018年にはアメリカにエチレン工場を新設しており、安定的に供給できる体制を整えています。
前述した通り、『塩ビ樹脂』は世界1位のシェアであり、化成品部の『苛性ソーダ』や『メタノール』も世界1位のシェアを誇ります。
いくつもトップシェア商品を抱えているのは企業として非常に強力な強みですね。
半導体シリコン事業
当事業では名前にあるように半導体の基板として使用される『シリコンウエハー』を製造しており、そのシェアは世界1位です。
特殊技術が必要なだけでなく、品質管理も重要な当分野は非常に利益率が高いことが特徴です。
信越化学の利益と売り上げの伸びは半導体シリコン事業の伸びと言っても過言ではないでしょう。
また、半導体は今後もマーケットが拡大傾向にあると予想されるので、それに伴い信越化学工業も成長していくことが期待できます。
電子・機能材料事業
当事業はマグネット部、有機材料部、精密材料事業部、新機能材料事業部、新規製品部に区分されています。
この中でもマグネット部の『レアアースマグネット』は産業用ロボットや家電などの幅広い用途に使われており、世界シェア1位の製品です。
他にも新機能材料事業部の『フォトマスクブランクス』も世界シェア1位の製品です。
この製品も半導体製造に使用される製品であり、今後の需要増加が望めそうです。
また、当事業は半導体シリコン事業に次ぐ高利益率(およそ30%)の高利益事業です。
加工・商事・技術サービス事業
信越ポリマー、信越エンジニアリング、信越フィルムなどの子会社からなる当事業は利益率が5%程度と信越化学工業としては利益率が低い事業です。
ただし、これら子会社の独自技術が信越化学の優れた収益率を支えていると言えるでしょう。
シリコーン事業
「信越化学工業といえばシリコーン製品!」というイメージがあるように、『シリコーンオイル』から『塗料』、『シリコーンゴム』など幅広い製品を扱うのが当事業です。
実際、信越化学は日本で初めてシリコーンを事業化し、国内シェア5割を超える国内シェア1位、世界シェア4位の主力事業です。
シリコーン事業で培ったSi(ケイ素)を取り扱う技術を半導体シリコン事業に生かして成長させたのは見事な事業展開といえます。
機能性化学品事業
セルロース部、ファインケミカル部、国際事業本部などから構成される当事業は医薬品や食品、建材など多岐にわたって使用される『セルロース誘導体』が主力です。
その中でも『メチルセルロース』は世界シェア2位です。
他にも、農業用薬品である『合成性ホルモン』が世界シェア1位など、各事業でトップシェア製品を抱えているのが信越化学の強みといえそうです。
経営理念について
遵法に徹して公正に企業活動を行い、素材と技術によって他の追随できない価値を社会と産業のために生み出す。
『他の追随できない価値』という信越化学の強みを端的に表していますね!今後も独自技術を生かした成長を続けていきそうです。
売上高および営業利益の分析
色々な種類の利益(経常利益、純利益etc)がありますが、企業が本業で稼ぎだした利益は営業利益として表現されます。そして、営業利益の源泉となるのが売上高です。
売上高と営業利益を分析することで会社の成長性や安定性を評価しましょう。
連結売上高・営業利益の分析
信越化学工業株式会社の過去10年の売上高と営業利益をグラフ化したものをご覧ください。
信越化学工業の平均勤続年数が20.2年(入社したら平均20年はお世話になる)であることを考慮すると、10年分の分析が決して多くはないことがわかると思います。詳細はこちらへ!
化学業界でNo.1の時価総額という巨大企業ながら売上高が堅調に伸びているのはとてもポジティブな傾向です。
ただ、それ以上に2016年あたりから営業利益率が急激に伸びていることが目を引きますね。
2016年以前の15%近い利益率でも化学業界では高収益なのですが、現在の25%は規模の大きさと不釣り合いな異様な値です。
後述しますが、この伸びは半導体シリコン事業の伸びに牽引されたものと推測でき、半導体需要が今後も伸び続けることを考慮すると信越化学の成長もまだまだ続きそうです。
コロナ禍による不況でも業績はほとんど落ちておらず、安定性も抜群です。
ちなみに信越化学の海外売上高率は74%で日本国内は26%しかありません。グローバルな企業といえます。
セグメント別売上高の解析
セグメント別の売上高の成長に着目することで、企業がどの事業に力をいれようとしているのか、世の中が企業に何を求めているのかわかるのでこの分析手法はおすすめです。
売上高と利益の推移から塩ビ・化成品事業および半導体シリコン事業の2事業が信越化学工業を支えていると言っても過言ではないです。
特に、半導体シリコン事業は2017年から売上、利益共に右肩上がりに伸びていますね。
信越化学の各事業のおおおよその利益率は半導体シリコン40%、電子・機能材料30%、シリコーン25%、機能化学品および塩ビ・化成品20%とどの事業も高収益です。
この中でも高い利益率を誇る半導体シリコン事業が伸びていることが全社の利益率の伸びを牽引しています。今後もこの成長は続いていきそうです。
- 不況時にも安定して高い利益を出し続ける優れた安定性
- 売上と利益率を同時に伸ばす高い成長性
- 半導体市場の伸びと共に今後も伸びが期待される
研究開発費の推移
上図では信越化学工業の研究開発費の推移を示しました。
セグメント毎の研究開発費を開示していないので、信越化学工業がどこに多くの費用を充てているかはわかりません。
ただ、研究開発費売上高比率は4%近く、総合化学の中では割と高水準だと思います。
循環型社会構築への取り組み
サステナビリティやカーボンニュートラルといったテーマはおそらく今後20年以上にわたって化学業界で最優先とされる事象になります。
企業がしっかりとこれらのテーマと向き合っているかは確実に確認しましょう。
化学企業に特有なサステナに対する取り組みとして、原料となる炭素を石油や天然ガスなどの化石資源ではなく、植物由来の再生可能な資源にすることが挙げられます。
一方、信越化学は一般的な化学企業と異なり、炭素よりケイ素を取り扱うことが多いため、上記の取り組み方は有効ではありません。
省エネルギーで製品を製造したり、エコカーなどの環境調和型製品に部材を供給することで間接的に環境保全に貢献したりという方法での貢献が期待されます。
直接的に貢献できる他の総合化学よりは本観点では弱くみえてしまいますね。
注目すべきプレスリリース3選(2020/01/01~2021/07/04)
企業のだすプレスリリースは世間に対するポジティブなアピールです。つまり、企業として世間に褒めて欲しい、注目して欲しいところ。
プレスリリースをチェックして企業の動向を把握しましょう。
信越化学工業株式会社の注目すべきプレスリリースは、
- シンテック社 能力を増設 ~12.5億ドルを投資、塩ビ事業を更に強化~ (2021/01/27)
- カーボンニュートラルに貢献する取り組みをシリコーン事業で強化 (2021/07/01)
- 信越化学、パーソナルケア用の新規揮発性シリコーンオイルを開発 (2021/05/17)
まだコロナ禍から正常な世の中に復帰したとは言い難い現在で1のように増産を打ち出すのは力強い企業にしかできないことです。
2では信越化学のサステナへの貢献の仕方が見て取れます。加工工程を改良することで大幅に省エネルギーできるようです。
今後は製造工程での環境負荷も製品を評価するうえで大事なファクターになっていくでしょう。
信越化学工業の強み、弱みは?
就職・転職活動において企業の特徴、特に強みと弱みをつかむのは非常に重要です。記事の内容を踏まえて、強みと弱みをおさらいしてみましょう。
信越化学工業の強み
信越化学工業の一番の強みはSi関連事業を中心とした事業の独自性です。塩ビ・化成品事業も信越化学の特徴を生かした世界トップシェア製品を有する有力事業ですが、今後の信越化学は半導体シリコン事業が牽引することになるでしょう。
スマホやタブレットなど電子デバイスの普及、IoT、自動運転車、AIなど近年のトレンドはすべて半導体が支えているといっても過言ではありません。そして、半導体の需要が伸びる限りは信越化学の成長も止まらないと推測できます。主要事業がトレンドとマッチしているのは非常に強力な強みです。
また、信越化学は海外売上高比率が70%以上という優れたグローバル企業です。
Si関連事業、事業の独自性、高い海外売上高比率、高い利益率、主要事業がトレンドに沿っている
信越化学工業の弱み
正直なところ、信越化学工業にこれといった弱みはないように思えます。
唯一、総合化学の他企業と比べると、サステナ関連事業が目立っていない印象があります。今後の環境関連ビジネスの発展に期待です。
特になし
競合他社は?
塩化ビニル事業では東ソーやカネカが競合になりますが、信越化学の規模には及びません。
また、比較対象としては総合化学大手の三井化学、旭化成、住友化学、三菱ケミカルホールディングス、宇部興産、昭和電工あたりが挙がるでしょう。
どの企業とも被らない独自のビジネス展開が特色なので、他の総合化学と比較するのが一概に正しいとも言えませんが、、、
管理人Jagaが志望動機を書くのであれば、、、
本項目はあくまでも参考例です。志望動機はご自身の言葉で書くようにしましょう。
私は貴社の企業規範に感銘を受けたので貴社を志望しました。「素材と技術によって他の追随できない価値を」生み出すとありますが、まさに貴社は独自技術を武器に他の追随できないビジネスを展開している企業だと存します。優れた技術開発力や知見を有する貴社に身を置き、グローバルな視点で世界トップシェアを目指して挑戦し続けることで貴社の利益や社会に貢献できる人材へと成長できると考えております。(189字)
信越化学工業の志望動機を書く上では以下のような言葉がキーワードになりそうです。
企業規範「遵法に徹して公正に企業活動を行い、素材と技術によって他の追随できない価値を社会と産業のために生み出す。」、グローバル企業、サステナビリティへの取り組み、独自の技術、成長性、高利益体質
これらのキーワードとあなたの思い、経験を組み合わせていけば魅力的な志望動機が書けるかと思います。
まとめ
以上にまとめましたが、信越化学工業株式会社の魅力や注目すべき動向は伝わりましたでしょうか?
独自技術をいかした高利益な事業を展開している、化学業界でも随一の力強い企業ですね。
就職・転職先に安定性を求める方であれば理想の候補と言えそうです。
就職・転職活動で競合(ほかの就活生・転職希望者)に差をつけるには効率的、素早く企業の情報を収集することが重要になります。
今回、当記事で紹介した内容に加えて就活サイトで情報を集め、インターンやOB・OG訪問を積極的に行いましょう。
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当記事が皆さんの就活・転職活動に有意義なものとなれば幸いです。
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