企業同士の比較って就活や転職では重要だとわかっていても手間もかかるし、なかなかハードルが高いですよね?
本記事では化学業界に興味のあるあなたのために、決算データを基にした総合化学おすすめランキングを紹介します。皆さんの企業研究にお役立てください。
企業名 | 順位 | 年収 | 安定性 | 成長性 | 勤続年数 | ライフワーク バランス | 合計 |
信越化学工業 | 1 | 5.0 845万円 | 5.0 | 5.0 | 5.0 20.2年 | 4.0 | 24.0 |
三井化学 | 2 | 5.0 838万円 | 4.5 | 4.0 | 5.0 17.1年 | 5.0 | 23.5 |
旭化成 | 3 | 4.5 751万円 | 5.0 | 4.5 | 4.0 14.8年 | 4.0 | 22.0 |
東ソー | 4 | 4.0 763万円 | 5.0 | 4.0 | 3.5 14.4年 | 4.0 | 21.0 |
昭和電工 | 5 | 4.5 751万円 | 3.5 | 4.5 | 4.0 14.8年 | 4.0 | 20.5 |
住友化学 | 6 | 5.0 856万円 | 4.0 | 3.5 | 4.0 15.5年 | 4.0 | 20.5 |
宇部興産 | 7 | 4.0 698万円 | 3.5 | 3.5 | 4.5 16.0年 | 4.5 | 20.0 |
では、各企業(+三菱化学ホールディングス)について詳細をみていきましょう。
この記事では売上高や時価総額といった意味のない値に基づくランキングではなく、オリジナルスコアを算出してランキングを作成しています。
スコアの根拠を知りたい方はぜひ各社の分析記事をご覧ください。
当サイトでは決算データをもとに”客観的”に企業を評価しています。一方で、企業の内情や口コミといった主観的情報も就活では重要です。OB訪問アプリを活用して賢く就活を進めましょう!
1位:信越化学工業
堂々たる1位は信越化学工業です。化学業界に詳しい方ならだれでも知っているNo.1企業。
他の大手が石油化学でしのぎを削っている中で、信越化学工業はシリコンを取り扱う特殊な企業です。
独自の事業展開に支えられた高利益体質は高い安定性と高い成長性の両立を可能にしており、勤続年数の長さも従業員の満足度を表しています。
最近は、シリコンウェハーなどの半導体部材が業績を牽引しており、今後も順調に伸びていくでしょう。
信越(長野や新潟の地方)という名前からわかるように、勤務地は都会とは言えませんが、そこが気にならなければ業界で最もおすすめの企業です。
Si関連事業、事業の独自性、高い海外売上高比率、高い利益率、主要事業がトレンドに沿っている
特になし
信越化学工業の詳細な分析はこちらへ!!
2位:三井化学
三井化学はここ10年で企業体質を改善した隠れ成長企業です。
元々石油化学がメインであったため、利益率が低く、業績が安定しないのが課題でしたが、近年はモビリティ事業やフード&パッケージ事業、ヘルスケア事業など従来から扱っていた化成品に付加価値をつけることで高利益化を実現しています。
2021年5月にはバイオマスナフサを日本で初めて取り入れるなど、サステナビリティやカーボンニュートラルといったトレンドにも感度の高い企業です。
さらに、個人的に気になったのは勤続年数が長く、有給取得率が高い点です。ワークライフバランスがとりやすい企業体質なのではないかと期待できます。
事業展開の方向性、事業の多様性、サステナ技術(ビジネス)、新技術を取り入れる姿勢、従業員満足度の高さ(=勤続年数の長さ)
海外売上高比率が低い、売上高の成長性の低さ
三井化学の詳細な分析はこちらへ!!
3位:旭化成
上位の2社と違い、旭化成は化学事業だけでなく、住宅事業に取り組むなど事業を多角化することで経営の安定化をはかっています。
実際、コロナ禍の影響で2019年と2020年はマテリアル事業(=化学事業)の業績は落ち込んでいますが、アメリカで展開するヘルスケア事業や住宅事業の落ち込みが小さかったため、全体としての業績は落ちていません。
これがコングロマリット(=多角化経営)の強みと言えるでしょう。
旭化成での研究内容でノーベル化学賞を受賞した吉野氏が在籍するなど、高い技術開発力も魅力のひとつです。
多様化した事業ポートフォリオ、ブランド力、環境保全技術を事業化、世界トップシェア製品群
事業間のシナジーが見えない、マテリアル事業のボラティリティ、石化製品の多さ
旭化成の詳細な分析はこちらへ!!
4位:東ソー
東ソーは総合化学の中でも信越化学工業に次ぐ高利益体質な企業です。
塩化ビニル樹脂(クロル・アルカリ事業)や無機粉末を取り扱う事業(機能商品事業)など他社の真似が容易ではない製品群が経営を安定化しています。
残業時間や有休取得日数が他社と比べても優秀な一方で、平均勤続年数が業界平均よりも短いのは少し気になります。
シリカ(ケイ素)や塩化ビニルなど信越化学工業と製品が似ているので、より高利益な事業を展開できないかと期待できますね。
独自技術によるビジネス展開、安定した事業構造、経営戦略が明確
売上高の低成長率、サステナ関連ビジネスがとぼしい
東ソーの詳細な分析はこちらへ!!
5位:昭和電工
昭和電工は石油化学事業と無機事業が二本柱であり、どちらも景気に左右されやすいのが長所であり短所です。
前代未聞の不況であった2019年と2020年は市況の影響を受けて、業績が悪かったのですがどちらも独自性の強い事業です。
特に、無機事業の黒鉛電極の利益は好況時には驚異的です。
昭和電工を語る上で外せないのが、日立化成(=現:昭和電工マテリアルズ)の買収です。
この巨額買収は効果的だと個人的には考えており、更なる成長が期待できると思います。
ただ、予想の域をでないため、安定性は低めの点数付けとしています。
オリジナリティ溢れる事業群、事業の多様性、サステナビリティ事業、明確な成長方針
事業のボラティリティ、巨額買収による財務体質の悪化
昭和電工の詳細な分析はこちらへ!!
スコアが同点の場合は私の独断で順位付けをしました。
6位:住友化学
認知度は化学業界トップと言える住友化学ですが、ここ10年の売上高の伸びが少ないことから5位という順位付けになっています。
ここ最近では医薬品事業の伸びが著しく、研究開発費をみても多くを医薬品事業に充てていることがうかがえます。
単純な化学企業と言うよりは、高付加化価値な医薬品を取り扱うことで高利益体質へと生まれ変わろうとしているところかもしれません。
また、化学工学会賞で「女性賞」を受賞していることから女性が働きやすい風土であることがわかります。
男性比率の高い製造業では貴重な存在かもしれませんね。
ハイブリッドケミストリー、多様ポートフォリオ、グローバル企業、女性が活躍できる風土
主力(化学)事業のボラティリティ、研究開発費が重い、サステナ事業のオリジナリティがない
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7位:宇部興産
宇部興産は化学事業と建築資材事業で売り上げの大半が構成されている企業です。
コロナ禍で化学事業が落ち込んだのに対して、建築資材事業は安定した収益をあげて全社の成績に貢献しました。
しかし、この建築資材事業は2022年4月に三菱マテリアルとの統合により会計が宇部興産本体と別になるため、化学事業のより一層の安定化、成長が求められます。
ただ、現状、その成長が望める状態には見えません。
独自技術による環境保全ビジネス、事業の多様性
海外売上高比率が低い、主力(化学)事業のボラティリティ
宇部興産の詳細な分析はこちらへ!!
参考:三菱ケミカルホールディングス
三菱ケミカルHは三菱ケミカル(ホールディングスとは別)、田辺三菱製薬、生命科学インスティテュート、日本酸素ホールディングスの4社から成る企業体であり、各社の詳細な業績が明かされていません。
また、年収や勤続年数といった値も三菱ケミカルHのものしか公開されていないため、今回のランキングにはいれませんでした。
ただ、情報公開がされていない時点であまりおすすめは出来ません、、、
三菱ケミカルHの事業形態はこちらへ!!
まとめ
以上が当サイトオリジナルの総合化学比較ランキングでした。皆さんのお気に入りの企業は見つけられたでしょうか?
気になった企業の詳細な分析も各ページで読めるのでぜひぜひご覧ください。
また、企業分析と並行して、自己分析も効率的に進めていきましょう。
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