就職・転職活動における企業研究って結構手間がかかりますよね?特に、同業他社との比較には時間が、、、しかし、企業研究は効率的な就職活動には欠かせません。
本記事では化学業界における繊維大手を徹底比較し、更に各企業を採点した繊維大手のおすすめランキングを紹介しています。皆さんの企業研究にお役立てください。
さっそくですが、オリジナルランキングは、、、
企業名 | 順位 | 年収 | 安定性 | 成長性 | 勤続年数 | ライフワーク バランス | 合計 |
帝人 | 1 | 4.0 729万円 | 5.0 | 3.5 | 5.0 | 4.5 | 22.0 |
旭化成 | 1 (参考) | 4.5 751万円 | 5.0 | 4.5 | 4.0 | 4.0 | 22.0 |
クラレ | 3 | 3.5 691万円 | 4.0 | 4.0 | 4.5 | 4.5 | 20.5 |
東レ | 4 | 3.5 672万円 | 4.0 | 4.0 | 4.0 | 4.5 | 20.0 |
ユニチカ | 5 | 3.0 558万円 | 3.0 | 0.5 | 5.0 | 5.0 | 16.5 |
では、各企業について詳細を確認していきましょう。
当サイトでは時価総額の大きな4社+旭化成のみを取り扱っています。
当サイトでは決算データをもとに”客観的”に企業を評価しています。一方で、企業の内情や口コミといった主観的情報も就活では重要です。OB訪問アプリを活用して賢く就活を進めましょう!
化学業界における繊維大手とは?
繊維と聞くと皆さんは何が思い浮かぶでしょうか?多くの方は衣服に使用される糸、生地などの衣料用繊維かと思います。
皆さんの身近にある繊維は天然繊維(絹、綿、麻など)と合成繊維(ナイロン、ポリエステルなど)に大別され、その中でも合成繊維を扱うのが化学業界の繊維メーカーです。
一口に合成繊維といっても種類は実に多様であり、衣料に使用されるナイロンから航空機材料に織り込まれる炭素繊維など各社の取り扱う繊維には特色があります。例えば、ビニルアセテートはクラレの独壇場です。企業分析の際は各社製品の特色にも注視しましょう。
繊維企業の立ち位置
化学業界を川上(基礎原料)、川中(中間素材)、川下(最終製品)に分けた際、繊維企業は中間素材に分類されます。
中間素材メーカーは基礎原料に独自技術で付加価値を付け加えることが事業成功のポイントです。他にも、カーボンニュートラルがトレンドである現代ではバイオマス原料由来の製品をビジネスにしているかも注目ポイントでしょう。
化学業界の分類については別の記事で詳細に書いたので興味のある方はご参照ください。
第1位 帝人株式会社
繊維大手の中のおすすめ第1位は帝人株式会社です。
ここ10年間で売上高が伸びていない代わりに売上高営業利益率がぐっと伸びており、企業体質が強化されたことが決算データから読み取れます。
実際に、コロナ禍においても磨きをかけた利益率は大きく下がらず、不況への耐性も十分高いことが証明されました。素材企業は市況の影響をうけやすいので、不況耐性の高さはおすすめする上で高評価となります。
従来の繊維やマテリアルなどの素材事業以外にも、ヘルスケアやITといったビジネスを展開しており、DAKEJANAIポートフォリオが高い安定性を生み出しています。
マテリアル事業の強化についても経営説明会で理路整然と言及されており、今後の更なる成長が期待できること点も好印象です。ただ、採点の際は、過去10年の成長を評価したため3.5点と低めの評価となっています。
世界トップシェア製品、安定した業績、高い利益率、多様なポートフォリオ、グローバル企業、技術力
マテリアル事業のボラティリティの高さ
帝人株式会社の詳細な分析はこちら!!
第1位 旭化成株式会社
帝人と同率1位が旭化成株式会社です。旭化成は総合化学に分類される企業ですが、繊維の色が強いため当ランキングの対象にしました。
実際、電池用セパレータで世界シェア1位(2位が東レ)など繊維技術を生かした製品を多数扱っており、ベンベルグなどの衣料用繊維製品も取り扱っています。
とはいえ、幅広い事業ポートフォリオの一部なので参考記録扱いとしています。
他の繊維関連企業と比較すると安定性と成長性に優れていることがわかります。繊維を単純な素材として販売するのではなく、総合化学らしく複合材(コンパウンド)として付加価値をつけて売ることで利益率を向上させています。
知名度が高く、ブランド力が高いことが魅力ですが、石油製品をどのようにカーボンニュートラルな製品へと変換していくかが今後の課題です。
多様化した事業ポートフォリオ、ブランド力、環境保全技術を事業化、世界トップシェア製品群
事業間のシナジーが見えない、マテリアル事業のボラティリティ、石化製品の多さ
旭化成株式会社の詳細な分析はこちら!!
第3位 クラレ株式会社
第3位はクラレ株式会社です。3位という順位ですが、個人的にはとても面白い会社だと思います。
クラレの特徴は何と言ってもビニルアセテート事業にあります。ビニルアセテート(酢酸ビニル)はモノマーは一種であり、クラレは酢酸ビニルから製造した世界トップシェアの製品を多数取り扱っています。
海外売上高も高く、ひとつの武器(=ビニルアセテート事業)を磨いて世界と渡り合う隠れたグローバル企業です。
一方で、ほかの事業が育っていないのが課題です。ビニルアセテート事業に何かあったときに業績の支えとなる第二の柱が育つとより魅力的な企業になるでしょう。
とはいえ、繰り返しになりますが、営業利益率も高く売上も安定しているビニルアセテート事業はかなり強力です。
独自の製品群と技術、世界No.1製品を各事業に保有、安定した業績、高い利益率、グローバル企業
ビニルアセテート事業に頼り切り、リスクヘッジ不足、環境保全ビジネスが不十分
クラレ株式会社の詳細な分析はこちら!!
第4位 東レ株式会社
売上高の大きさでは繊維業界No.1の 東レはナイロン、ポリエステル、アクリルという三大合成繊維のすべてを取り扱っており、世界シェアNo.1の製品群が強みです。
繊維を特殊用途に加工した機能化成品も力強い事業です。
また、ナイロン製品のケミカルリサイクルを数十年前から事業として継続しており、サーキュラーエコノミーの重要性が浸透してきた現代において、環境保全技術を有することは非常に魅力的です。
様々な事業を展開する東レですが、一番の特色は世界シェアNo.1の炭素繊維事業でしょう。
一方で、炭素繊維事業はコロナ禍では赤字に転落しており、ビジネスとして未熟な面は気がかりです。
繊維事業と炭素繊維事業の両方が不況の影響を受けやすく、結果として業績全体の変動率が高くなるため、結果として当サイトのランキングでは4位としました。
炭素繊維事業が成熟し、そこに得意のサステナ技術を生かしたビジネスを展開していければより魅力的な企業となるでしょう。
世界シェア1位の製品群、カーボンニュートラルビジネス、グローバル企業
不況耐性に疑問、炭素繊維事業のボラティリティが高い
東レ株式会社の詳細な分析はこちら!!
第5位 ユニチカ株式会社
ユニチカは繊維の中でもニッチな分野でオリジナリティを発揮する企業です。
ただ、上のレーダーチャートがいびつな形になっていることからわかるように、成長性は感じられず、むしろほぼ毎年売上高が縮小しています。企業としては非常に厳しい状況といえます。
一方で、平均勤続年数が業界平均と比較して5年近く長いことから、従業員の満足度が高い過ごしやすい企業なのかなと推測できます。
事業構造に目を向けると、高分子事業の一強体制であることがわかります。クラレと同様に、ひとつの事業への依存度が高いと不況などのリスクに対する耐性に疑問符がつきます。
さらに、ユニチカの高分子事業はクラレのビニルアセテート事業ほど力強いとは思えず、第2の柱を育成するのは急務と言えます。
ユニチカの魅力はバイオマス原料の活用技術にあります。糖の発酵によるポリ乳酸やひまし油を原料としたポリアミドなど、カーボンニュートラルがトレンドである現代では強力なビジネスとなりそうです。
独自技術によるニッチなビジネス、バイオマス原料の活用、海外大手との協業
売上高の縮小、高分子事業への依存度が高い、海外売上高比率が低い
ユニチカ株式会社の詳細な分析はこちら!!
まとめ
各企業の特色や特徴は伝わりましたでしょか?
気になった企業の詳細な分析も各ページで読めるのでぜひぜひご覧ください。
当サイトでは決算データに基づく客観的な分析を行っています。当サイトのデータに加えて、OB・OG訪問を活用した口コミなどの主観的データの収集や自己分析を進めて就活・転職を有利に進めていきましょう。
オファー型サイトの自己分析テストは秀逸!上手に活用して内定を勝ち取ろう!おすすめのサイトはこちら!
コメント